idea factory from newspaper 2003 7 29

医療費、過去最高(rising health care cost)
 国民医療費が、2001年度については、3.2%増加の31兆円となり、過去最高となった。
これは、今後も増加する可能性がある。
今の時点で、このような数字ならば、今後、少子高齢化社会では、より深刻となる。
医療費制度の改革をする必要がある。
 所得に応じた医療費負担を考える必要がある。
たとえば、風邪を引いて、医者にかかったとする。
窓口で支払った金額が1,000円という条件で考えてみる。
年収が300万円の人にとっての医療費は、
1,000円でも大きいが、
年収が1,000万円の人にとっての医療費は、
1,000円では、それほど気にならない金額である。
 このように同じ千円札1枚でも、大きな差がある。
年収が300万円の人にとっての1000円と、
年収が1,000万円の人にとっての10000円で、
これで、やっと価値が等しくなる。
 消費税が、所得の低い人に大きな負担になり、
所得の大きい人には、それほど負担にならないのと同じ構造になっている。
たとえば、スーパーで、1か月に、買う野菜の量は、
金持ちでも、所得の低い人でも変らない。
しかし、消費税額は、金持ちでも、所得の低い人でも、同じ税額である。
1か月に野菜を5000円買うとすると、
消費税額は、250円となる。
しかし、金持ちにとっての250円は、どうでもいい金額である。
しかし、年収が低い者にとっての250円は、大きな金額となる。
年収が低い者は、これで、ジュースや缶コーヒーが2本買えたと考える。
これが、消費費税率10%となると、弊害がさらに大きくなる。
消費税額は、500円となる。
消費税というものは、基本的には、
所得が低ければ低いほど、苦しくなる制度である。
これが意味するところは、貧富の格差が拡大することである。
つまり、高率の消費税は、階級社会を作っていくのである。
さらに、高率の消費税は、この階級社会を固定化させる機能を持っている。
これが、高率の消費税を導入している国が、経済低迷している原因です。
高率の消費税を導入している国は、経済がさえないでしょう。
高率の消費税を導入している国は、活気がなく、停滞している。
しかし、こういう国には、大金持ちが多いのです。
消費税率を考えるとき、このような副作用があることを十分検討すべきである。
消費税は、階級社会を作り、階級社会を固定させる。
 しかし、年収によって、消費税率を変えるのは困難であるので、
医療費の負担を、年収によって変えるべきである。
もちろん、ここで言う年収とは、可分所得の年収である。
たとえ、年収が700万円あっても、可分所得が200万円では、低所得者と言える。
逆に、年収が500万円であっても、可分所得が400万円では、高所得者と言える。
窓口で負担する医療費の負担割合を、一律で引き上げたが、
これが間違いのもとです。
先ほどの野菜にかかる消費税の例と同じ現象が起きます。
これが、階級社会を固定化させる機能を果たすのです。
 年収(可分所得)によって、負担割合を変えるべきだったのです。
低所得者は、2割負担。
中所得者は、3割負担。
高所得者は、4割負担。
重ねて言いますが、ここでいう所得とは、可分所得のことです。
 最近は、ICチップが、砂粒の大きさまで、小さくなりました。
このICチップを保険証に埋め込むことで、
医療費の負担割合を計算すればよいでしょう。